広尾、夜の顔
2018.8.11
先日、陽が落ちても蒸し暑い、夜の22時少し前、
老舗酒屋さんから出て来て広尾の空を見上げたのは、小柄なエプロン姿の老婦人。
こちらのお店の、現役“看板娘”さんですね、いつもレジカウンターの内側にいらっ
しゃいます。
買い物のやりとり以上のお話をしたことがなかったのですが、
出会い頭に、こんばんはー、とご挨拶してみると、
「お月様見えるかしらーと思って」と
何とも風流なお言葉!
暑い暑い、お腹すいた、などと、いつも目先のことでソワソワしている自分が恥ず
かしくなります。
一緒に広尾の夜空を見上げてみましたが、残念ながら、月はビルの陰へ。
優しい笑顔に甘えて、ついつい、あれこれ質問。立ち話でお引止めしてしまいまし
た。
女性に失礼とは思いつつ、お年をうかがうと
「まだ90にはならないけど、近いところ」。
えっ‼️
お店の営業は22時まで。閉店まで働いて、朝ご飯の支度もご自分で。
「若い頃からずっとやってるから、苦にならないの」
これといった病気もなし。
お肌もツヤツヤです。
酒屋さんですが、「お酒は一滴も飲めないの、ダメなのー」とおちゃめな話も。
お元気のヒケツを聞き出そうとすると、さらりと、
「仕事してるからかしらね」
疲れることも、面倒なこともあるのが“仕事”ですが、
ステキな人生の大先輩に、さらっと、
“仕事”の魅力をあらためて思い出させていただいた夜でした。
(美容室のaizawa)