七草粥
「広尾に住んでいて良かった」と思うことはたくさんあるが、まず思い浮かぶのが
病院や医院・クリニックなど医療施設が充実していること。
都立広尾病院、日赤医療センターなど救急で駆けつけられる総合病院とともに周辺
には各科目の専門クリニックが豊富にある。評判の良い歯科医院も多い。また体の
ケアーには整骨院やカイロプラクティックなども揃い特に中高年の私達には安心
だ。
自他ともに認める不摂生オヤジの私。昨年末から胃の辺りがしくしくと痛むの
で年始早々に行きつけのクリニックで診てもらった。
ベットに横たわった私のたっぷりとしたお腹に静かに聴診器を当てていた先生から
「胃も腸もぜーんぶ弱っている音がするねぇ。しばらくはお粥やうどんとか消化の
良いモノを食べるように。お酒はもちろんダメ!」と言われた(涙)
胃と腸が弱っている音ってどんな音なのだろう。
それを聴き分けるお医者さんってすごい。
度重なる暴飲暴食が招いた自業自得の結果だが、正直「お粥」は苦手だ。
帰宅して
「お粥やうどんを食べてろってさ」と私。
「ちょうどよかったじゃない、明日は七草粥の日だから」と女房。
そういえば、毎年1月7日は「七草粥」を食べさせられ、いや食べていたような気
がする。
ネットで七草粥を調べると「春の七草や餅などを具材とする塩味の粥で、その一年
の無病息災を願って食べられる。祝膳や祝酒で弱った胃腸を休める為とも言われ
る」とある。
弱った胃腸を休める・・・とは、なんともドンピシャのタイミングである。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、ズズナ(蕪)、スズシロ(大
根)が春の七草。
セリは皆さんご存知の通りのお野菜。秋田のきりたんぽ鍋にも欠かせない。
また、手元にあった「柳 宗民の雑草ノオト」で見るとナズナ(ペンペングサ)も
ゴギョウ(ホウコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(タビラコ)も良く目
にする雑草だとわかった。
七草粥もこのような“事情”が分かって食べてみるとなんだかありがたい。
新年会が続くこの時期に「消化の良いモノ」しか食べられない体調では情けない
が、若いつもりの無理はすでにきかない身体になった事を自覚しないといけない。
物忘れもひどくなってきた昨今、せっかく覚えた春の七草ぐらいは空で言えるよう
にしておこうと思う。
By Oyaji M